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もしかしたら今まで読んだ本の中で最高に感動した一冊かも知れません。 大事なところを後で読み返せるように栞をはさんでいったら、ほとんどのページに栞を挿し込んでしまいました。 風をつかまえた少年 ウィリアム・カムクワンバ著 文藝春秋社刊 アフリカ南東部の国、マラウイ共和国では98%の人びとが電気の無い生活を送っています。 ですから夜になると灯油ランプを燃やすのですが、灯油が高価なうえにこのランプを使うと、黒く濃い煙が立ち上り、眼がひりひりして咳が出るそうです。 貧しくて学校へ通うことができなくなったウィリアム・カムクワンバ君はそんな家族のために、図書館で借りてきた物理とエネルギーの本を読んで勉強し、自転車のペダルの部分に風車を取り付け、ダイナモで発電してライトを灯す装置をわずか14歳の時に独学で完成させてしまいます。 おもちゃを身近にあるもので手作りして遊ぶのが大好きだった幼少期、恐ろしい飢餓に襲われた少年時代、風車の成功が認められて国際会議の参加者に選ばれ、アフリカの大地をどう変えていけば、そこに住む人たちの暮らしが良くなるか確固たるビジョンを持っている仲間に出会えた青年時代。 波乱万丈で前途有望な半生、何度読み返しても胸が熱くなり、勇気が湧いてきます。 マラウイでは森林伐採が進み、料理に使う薪を見つけるのもむずかしくなっているのが現状だけれど、そうして木々を集めること自体、この破壊のサイクルに加担している。トウモロコシの収穫が豊作であれば、通常四ヶ月ほどは乾燥させた穂軸を薪がわりに使えるが、それを使いきってしまうと、どうしても薪探しを開始せざるをえない。 母さんや妹たちも、カチョコロ(マラウイ郊外の地名)近くのユーカリの森まで数キロの道のりを歩いて、細い木を切って束にしていた。それだけで少なくとも三時間はかかる日課だが、たいていは青々と葉の茂った若木を切るため、乾燥させるには五日ほど置いておかなければならない。が、実際にはそれまで待ちきれず、乾ききるまえに燃やすので、ぼくの家の台所の窓からはいつも白い煙がもうもうと出ていて、中をのぞくと、両眼をぎゅっとつむり、頬に涙を伝わせながら、シマ(トウモロコシのお餅)の鍋を掻き混ぜている気の毒な母さんの姿が見られる。その煙のせいでぼくの家の女性たちはみな年中いやな咳をしていた。 マラウイの女性なら誰しも抱えている悩みだが、そのうち木を探すのに時間がかかりすぎて料理がつくれなくなる日も来るのではないか、そんなことさえ考えさせられる。また、悪化の一途をたどる森林破壊は、旱魃と洪水という、より深刻な問題も惹き起こしている。誰かがマラウイの女性と森を救わなければならない。それがぼくであってどうして悪い? 《本文より抜粋()内は私の注釈》 彼のいう通り、環境やエネルギーといった未来への問題を、金持ちや権力者に頼るのは間違いなのだと思います。 金持ちは金儲けしか、権力者は権力の座にしがみつく事しか考えてないのですもの。 日本だって、戦前まではエネルギーの多くを戸別の水車で賄ってきたのですし、モンゴルの遊牧民は、今でも伝統的な移動式住居で暮らしながら、太陽光発電を利用して衛星放送を受信し、NHKの大相撲中継を観戦して愉しんでいるのですから、知恵を絞れば出来ない事はないと確信しています。 私はどうやら、長い旅をしていたようです。 始まりは消費税問題でした。 「デンマークのような福祉国を目指すために日本も消費税を増額するべき。」という論調に納得のいかなかった私は、デンマークについていくつかの本を読み、石油資源も原子力発電所もないデンマークは、風力発電などの自然エネルギーを使って国内で消費するエネルギーをすべて自給し、さらには国外へエネルギーを輸出している事を知りました。 それからは、自然エネルギーについていくつかの本を読み、ウィリアム・カムクワンバ君という、心優しくて勇気があって賢くて、何より工作が大好きな青年が、今という時代を私たちと共に生きているという事を知るに至ったのでした。 きっと神さま(ウィリアム君の信仰している神さまは、ヨセフとマリアに連れられて木刀と旧ソ連製の自動小銃を武器に襲いかかるヘロデ王の兵から逃れてきたという、ちょっと風変わりな神さまではありますけど)が引き合わせてくれたのでしょう。
by sweetmitsuki
| 2011-01-26 19:20
| 家の裏で原発が死んでる
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Comments(6)
Tracked
from 梟通信~ホンの戯言
at 2011-02-05 16:53
タイトル : 凄い! ウイリアム・カムクワンバ 「風をつかまえた少年」
右手だとか左手だとか、フレミングの法則、とっくに忘れてしまった。 物理の出来る人はみんな天才に見えた。 1987年、アフリカでも最も貧しい国マウライに生まれた少年ウイリアム・カムクワンバは学費が払えないので中学を退学する。 NPOが作った小さな図書館で「エネルギーの利用」というアメリカの教科書の表紙に風力発電の風車の写真が載っているのをみた。 その本の説明を読んだ時から彼の人生は変わる。 タダの風を使って電気が作れたなら母さんの炊事はずっと楽になり、畑の灌漑も出来、夜は本も読める。 ...... more
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saheizi-inokori at 2011-01-26 20:32
読んでみます。
0
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kaneniwa at 2011-01-26 22:38
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sweetmitsuki at 2011-01-27 20:23
佐平次さま
エネルギーと環境についてだけでなく、マラウイの一般家庭の食卓や民間信仰、子供が夢中になってる遊びなどが紹介されていて、アフリカの大衆文化ガイドブックにもなってますので、とてもお買い得ですよ。
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sweetmitsuki at 2011-01-27 20:37
マーヒーさま
環境問題について考えていくと結局のところ「人間にとって幸せとは何か?」という命題に突き当たってしまうのですが、ウィリアム・カムクワンバ君は、年に二回トウモロコシが植えられて食料倉庫が空っぽにならないこと、汗を垂らしてポンプで汲み出すこともなく蛇口をひねるだけで冷たい清潔な水が手に入ること、いつでもラジオからレゲエの音楽(アフリカ人ですから)が聴けることという非常にシンプルなテーゼを出していて、納得させられてしまいました。
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saheizi-inokori at 2011-02-05 16:56
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sweetmitsuki at 2011-02-06 19:42
ウィリアム君は最新の科学に精通していながら、古い信仰の世界に生きている父母を尊敬しているところが偉いです。
新しい時代を担う英雄は、常に草莽の中から現れるとは、まさに彼のためにある言葉のように思います。
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