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土偶の謎

e0078674_14474110.jpg三鷹市遺跡調査会展示室(HPはコチラ)に土偶を見に行って来ました。
土偶というと遮光器土偶が有名なので土偶はみんな宇宙人のような格好をしているというイメージがありますけれども、実際には左の画像のように写実的な土偶もたくさんあります。
ここでの白眉は、右下の画像の坂上遺跡第5.10号住居跡出土の縄文時代中期接合土偶。
「どぐりんちゃん」という愛称で呼ばれています。
国宝の縄文ビーナスにどことなく雰囲気が似ているのは、縄文ビーナスが出土した長野は石鏃などに使われる黒曜石の産地で、ここから武蔵野台地へ黒曜石の交易を通じて、同じような土器、土偶を造り、風俗習慣が似通った人々が住んでいたためと考えられています。
天竜川から諏訪湖を遡り、釜無川と笛吹川の合流点から多摩川と相模川までの一帯は、地図で見ると眉毛のように見えるため、富士眉月弧と呼ばれています。
交流を通じて豊かな縄文文化が栄えていたのでしょう。e0078674_15183583.jpg
土偶はほとんどがバラバラの状態で出土するので、わざと壊していたという解釈がありますが、私はこの説を疑わしいものだと思っています。
壊すために作ったにしては、丁寧に手間ひまかけて作られ過ぎているというのがその理由なのですけれども、もう少し客観的な事を述べますと、壊すために作ったにしては、出土する数が少な過ぎるのです。
どうして土偶を壊していたのかについては、病気やけがの人の身代わりになって壊されたという「カタシロ」説と、殺された女神の死体から五穀の種子が生えてきて農業が始まったという古事記の記述(この話はハイヌヴェレ型神話といって東南アジアからアメリカ大陸にまで広く分布しています)から来る「祭式」説があるのですが、医療の発達していなかった縄文時代に、病気やけがの度に土偶を作っていたのでは、それこそいくら土偶を作っても足りませんし、女神である土偶を殺す事によって五穀の豊穣を願ったにしても、一万年以上続いた縄文時代に作られた土偶の数は、やはり少な過ぎるのです。
土偶ははじめから壊しやすいように作られていたというのは、人形の作り方を知らない人の弁で、粘土で人形を作る時には手足や頭を別々に作るのが普通で、接合部が壊れやすいのは仕方のない事です。
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土偶がバラバラになって出土するのは、わざと壊していたのではなく、大切に使っていたのだけれども、土で出来ているから壊れやすかったというのが正解のような気がします。
煮炊きに使う土器などは、底の部分がちょっとでも欠ければそれはもう使えませんから、新しいものに代えるしかないのですが、土偶は壊れても使っている本人がその効力が失われていないと信じている限り土偶としての役目を果たしていますから、バラバラになっても使い続けていたのでしょう。
e0078674_16165647.jpgそれでは、一体何のために土偶は使われたのかというと、その役割を一つに絞ってしまうのは、いかにも大雑把な気がするのです。
土偶はそのほとんどが女性で、胸と腰が豊かに表現されているので豊穣の女神だと考えられていますけれども、本当のところは分かってません。
もしかしたら、ただ単に縄文人がえっちだっただけなのかも知れないのです。
私としては、ビーナス系の土偶は衣服を着ていたと思っています。
人と同じ姿をして、そしておそらくは人と同じ役割を担っていた土偶に衣服を着せるのは、縄文人が裸族でない限り自然な事なのではないのでしょうか。
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by sweetmitsuki | 2011-05-08 15:16 | 古代史でポン | Trackback | Comments(4)
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Commented by saheizi-inokori at 2011-05-08 17:33
壊すために作る、接合部分が弱い、なんだか原子炉みたい^^。
Commented by sweetmitsuki at 2011-05-08 17:40
佐平次さま
未来人が原子炉の遺跡を発掘したら、それこそ土偶以上に何のために使われたものなのか理解に苦しむのではないのでしょうか。
Commented by antsuan at 2011-05-15 21:21
やっぱり土偶が女性像ばかりなのは気になりますね。
土偶を作る仕事をしていたのは巫女である女性だったというのは?
Commented by sweetmitsuki at 2011-05-16 06:27
あんつぁん
土偶のもう一つの特徴として、人間より小さい事があります。
当たり前のようですけど、古代ギリシャやエジプトでは神像を人間より大きく作っていました。
縄文式土器の中には人が入れるほどの大きさのものが沢山出土しているので、技術的に不可能だったのではなく、人より小さく作るのが土偶の特徴だったのかも知れません。