本当は怖い桃太郎

e0078674_9171943.jpg日本昔話の「桃太郎」の冒頭に「おじいさんは山にしば刈りに」とありますが、おじいさんはしばを刈ってどうするつもりだったのか、ほとんどの人が知らないようで、かくいう私も、つい最近までゴルフ場の整備の仕事かなんかだと思っていました。
しばというのは芝ではなく柴で、雑木林に生える小枝の事で、二宮金次郎の銅像が背負っているのもこの柴です。(大戦中に作られたコンクリート像が背負っているのは柴ではなく薪、コンクリートだと柴の細い部分を再現できないのです)
大きな薪にいきなし火を点けても燃えないので、まずは小さな小枝を燃やし、その火で炙って火を熾さなければならないので、柴は燃料を薪に頼っていた時代の生活必需品で、柴刈りは農閑期の農家の重要な収入源だったのです。
さて、桃太郎といえば鬼を退治するものと相場が決まっていますけれどもそれは明治になってからのお話で、それ以前は各地方にさまざまな桃太郎伝説がありました。
その中でもひどいのが、鳥取県に伝わる桃太郎で、お爺さんとお婆さんを殺すというものです。(詳しくはコチラ

むかしむかし、お爺さんとお婆さんが山に住んでいて、桃から生まれた桃太郎が村一番の力自慢に成長するまでは一緒なのですが、残念な事に桃太郎は腕っぷしを鼻にかけたゴーマンな人間に育ってしまいます。
ある日の事、桃太郎は村の子供たちと柴刈りに出掛けるのですが、木の根っこを枕に昼寝をはじめまったく柴を刈りません。
もう日も暮れかけてきた頃、桃太郎はようやっと起き上がり、近くにあった大きな木を力任せに引っこ抜いてこう言いました。
「どうだ。俺がいちばんたくさん薪を集めたぞ。」
そしてその引き抜いた木を担ぐと、桃太郎は家へと帰り、担いできた木を家の屋根にたてかけました。
すると、たてかけた木の重みで、家がミシミシと音を立てて潰れてしまったのです。
可愛そうに、お爺さんとお婆さんは潰れた家の下じきになって死んでしまいました。
お爺さんとお婆さんを死なせてしまった桃太郎は奉行所に連れて行かれ、島流しにされてしまいました。
おしまい。


e0078674_1045713.jpgミもフタもなければオチもない話ですが、要するに強過ぎる力は何の役にも立たないどころか大きな災いを引き起こすものなのです。
原発事故がそのいい例ですね。
桃太郎は明治以降、日本青年の模範として語り継がれてきましたが、鬼退治と称してアジアを侵略した日本が辿った末路は、この鳥取版桃太郎に象徴されているのではないでしょうか。
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by sweetmitsuki | 2012-04-01 09:40 | ぬくぬく引きこもり記 | Trackback | Comments(4)
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Commented by antsuan at 2012-04-03 11:12
何という良いお話しでしょう。桃太郎は捕まってしまったけれども、お爺さんやお婆さんが死んだお陰で、いままで囲われていた、鶏やブタや犬たちは自由に生きることが出来るようになったのですね。
あっ、エイプリルフールだった! (苦笑)
Commented by saheizi-inokori at 2012-04-03 15:47
でも昔噺には残酷なものがありますね。
恐ろしいことを実物で知る前にお話しで教えてやったのか。
Commented by sweetmitsuki at 2012-04-03 20:40
あんつぁん
鶏やブタや犬たちは使役から解放されて自由になったかもしれませんけど、エサをくれる人がいなくなってどうなったんでしょうね。
Commented by sweetmitsuki at 2012-04-03 20:44
佐平次さま
敗戦という恐ろしい事を実物で知る前にお話しで教えてきたのに、原発事故という恐ろしい事を私たち現代人は実物で体験してしまいました。
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