mitsukiのお気楽大作戦


手作り雑貨と原チャリ放浪と雑学で綴る、実践お気楽ライフ
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死骸にまたがった男

ラフカディオ・ハーンの何がどう凄いのか一口で簡単に説明すると、日本という国の良さを海外に紹介するにあたって、世界最古の文学作品といわれている「源氏物語」ではなくって「平家物語」を持ってきてるところ。
普通、誰だってその国の文明の高さを喧伝しようと考えたのなら、いちばん華やかな中心部の宮廷文化に光を当てようと考えるのが当然で、辺境の海底を彷徨う亡霊の話を伝えようとはしないでしょうに。
ジャーナリストとして世界中を駆け巡ってきたハーンは「源氏物語」に描かれている煌びやかな京の都の佇まいや、そこで暮らす貴族たちの優雅な暮らしより、もっと美しいものを世界各地のいろんな都市で見てきたに違いありません。
ところが「平家物語」に描かれている人びとの慎ましさ、貞節、献身愛よりも美しいものを、日本以外のどの地でも見ることはなかったのでしょう。
文明の高さとは、中心部の都市のインフラがどれだけ整備されているとか、精巧な美術品が溢れているとか、明晰な頭脳を持つ学者が揃っているとか、そんなことではないとハーンは知っていたのです。
そんな日本贔屓のハーンですが、日本人の欠点についてこういいたかったんじゃないでしょうか。
他人の勤勉さや優しさに甘え、自らが果たすべき務めを怠り、その結果不幸を招いても反省せず、責任を誰かになすりつけようとする身勝手な輩が少なからずいる。
落語に登場する、放蕩三昧の末親に勘当され、出入りの職人の家に押しかけ居候している若旦那なんかがまさにこのタイプですね。
「船徳」「湯屋番」「紙屑屋」など、このタイプの男が登場する演目は沢山ありますから、昔の日本には相当いたのでしょう。
ハーンが集めた「死骸にまたがった男」という日本の古民話はこのタイプの男が主人公で、その身勝手さゆえに元妻の亡霊に祟られて殺されそうになるのを陰陽師に助けられるというストーリーなのですが、ハーンはその結びにこう記しています。
この話の結末は、どうも道徳的に満足できるようには思われない。この死骸にまたがった男が発狂したとも、髪が白くなったとも記録されていない。ただ、「男泣く泣く陰陽師を拝しけり」と述べられているだけである。この物語につけてある注記も同じように失望すべきものである。日本の作者はいう、「その(死骸にまたがった)人の孫、今も世の中にあり」
近年になって刊行された「小泉八雲全集」を読むと、ハーンの望み通りこの主人公は白髪になり廃人になる結末を迎えている話になっている本もあるのですが、現実にはこの男には孫がいるというのですから後妻を迎えてのうのうと生き延び天寿を全うしている、それが気に入らないとハーンは述べているのです。
ハーンの作品ではありませんが鶴屋南北の「四谷怪談」の伊右衛門や近松門左衛門の「女殺油地獄」の与兵衛なんかもこのタイプの男ですね。
ハーンが「死骸にまたがった男」を「四谷怪談」のような復讐劇に改編しなかったのは、こんなロクデナシを許してやれる女性の優しさも日本人の美点のひとつと考えたからなのでしょう。
ですが伊右衛門や与兵衛みたいな悪党はまだカワイイほうで、最悪なのは、このタイプの人物が国の政治や軍の指導者になってしまった場合。
壇ノ浦の合戦で安徳天皇のために命を捨てて果敢に戦った平氏の物語が今なお語り継がれているのに比べ、太平洋戦争で昭和天皇のために命を捨てて勇敢に戦った兵士の物語がそのような扱いを受けていないのは、敗戦後に開かれた裁判でこの国の指導者が自分の罪や責任を保身のために最前線で戦って死んでいった兵士になすりつけ、国民もそれを黙認したからではないのしょうか。
敗戦後、日本人は変わってしまい、多くの美点を失ったといわれていますけど、国民の勤勉さや優しさに甘え、自らが果たすべき務めを怠り、その結果不幸を招いても反省せず、責任を誰かになすりつけようとする身勝手な政治家や官僚の体質がまったく変わっていないのは、どういうことなんでしょうね。
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by sweetmitsuki | 2012-12-13 18:40 | おどろけー | Trackback | Comments(4)
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Commented by saheizi-inokori at 2012-12-14 09:58
同感です。
その無責任さ、人の責任を追及しない代わりに自分の責任もあいまいにする。
それが「和」だと勘違いしているのでしょう。
Commented by sweetmitsuki at 2012-12-14 18:54
佐平次さま
居候の若旦那がいなくなってしまうと落語はつまらないので、そういう人はいてもいいと思います。
ただ政治家にはなってほしくない。
そういうタイプは選挙で落としましょう。
石原とか橋下とか。
Commented by antsuan at 2012-12-14 20:28
割れ鍋に綴じ蓋のたとえどおり、そのようなろくでもない男を許してあげる、めちゃくちゃ優しい女の人が、なぜか居るようですよ。だから平和なんですね日本は。
Commented by sweetmitsuki at 2012-12-15 01:13
あんつぁん
敗者の霊を鎮めるという日本の発想はいったいいつごろ起こったのでしょうかわかりませんがそれは「耳なし芳一」に如実に表れていてハーンの琴線に触れたのだと思います。

ロクデナシをただ許してあげるんじゃなく、真人間に導かなくちゃなんない、大変ですね日本の女性は。
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