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若者で賑わう渋谷センター街を抜けて、NHKの方へ歩いて行くと、「税務署前」交差点の傍らに天を指差した観音さまが静かに佇んでいらっしゃいます。
今から71年前の今日起きた、わが国近代史上最悪のテロといわれる2・26事件を主導した青年将校らが銃殺刑に処せられたこの地に、有志らが浄財を集めて建立したものです。 当時のわが国は、言葉では尽くせないほど悲惨な状況にありました。 1923年、関東を襲ったマグニチュード7.9の大地震(関東大震災)から立ち直ることが出来ず、大手銀行が次々とつぶれ、更に1929年、アメリカではじまった世界恐慌の波及と、東北地方で凶作が続いたのとで、農村では餓死する人が現れ、少女たちはつらいつとめに出なければなりませんでした。 信じらんない話ですが、戦前のわが国では親の借金の返済に子供が売春をするのが常識だったのですよ。 2・26事件の本質は、軍内部の権力闘争といわれていますが、決起した千四百人を超える兵士たちはみな、苦しんでいる農民を放置したまま贅沢な生活をしている財閥や幕僚を一掃し、誰もが豊かに暮らせる理想の国づくりを目指していたのでした。 しかし、テロで世の中が変わる筈もなく、彼らの思いとは正反対の、狂った方向へその後わが国は突き進んでいきます。 叛乱を起こしたのも軍なら鎮圧したのも軍なので、以来政府は軍に頭が上がらなくなります。 政治家や有識者も「軍に逆らったら命がない」と口を閉ざし、国の基本政策まで軍が取り仕切るようになります。 その結果、具体的にどうなったのかというと、軍は戦争に必要な資金を、国家予算から好きなだけ引き出せるようになりました。 こうなったら日本が世界を征服するか、あるいは国家予算が尽きるまで戦争を続けるしかありません。 そんなバカなと思われるかもしれませんが、実際に後者の道を歴史は辿っているのです。 天皇陛下も記者会見の席でおっしゃっているように(詳しくはコチラ)1930年から1936年にかけてのわが国はわずか6年間のうちに総理大臣が4人も暗殺されるという異常な時代でした。 こういう事が実際にあったから、私は憲法改正に懐疑的なのです。 侵略されたらどうすんのよとか聞かれたって、そういうのはTVの中でしか観たことないので絵空事としか思えませんが、自国の軍がクーデターを起こした事件は、祖父母や当時を知るお年寄りから生々しい体験談を散々聞かされてきたので、そっちの方がよっぽど怖いのです。
by sweetmitsuki
| 2007-02-26 00:02
| 東京大空襲を忘れない
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Comments(8)
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antsuan at 2007-02-26 07:44
2.26事件、日本人だったら絶対に忘れてはいけない出来事ですね。
あとでまたコメントさせていただきます。
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antsuan at 2007-02-26 11:06
熱さに懲りてなますを吹いていたのではなんの進歩もありません。
国民は衆愚にして賢民であると信じます。昔と決定的に違うのは国民が自由に情報を手に入れられるということです。それについても懐疑的になっているのならば、なおさら反権力スキャンダリズムの活きている今こそ、"主権在民"を明らかにする憲法改正を急ぐべきです。 憲法の前文を読めばお分かりになるように、世界が健全な法治社会になったと云う前提の下に、新しい国造りを決意したときの憲法なのであり、日米安保条約とセットでなければ機能しない、一国の憲法としては非常に歪なものです。はっきり言えばこんなものを憲法と言ってはいけないのです。
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antsuan at 2007-02-26 11:20
つづきです
もっと大胆なことをいえば、どんなに劣悪な憲法になったとしても、国民の責任が明確になる意味で立派な憲法と云うことが出来るでしょう。今の憲法下において国がつぶれた場合でも責任を負わされるのは国民なのですから、なおのこと主権在民を国民に意識してもらわなければなりません。 右左あんつぁん
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saheizi-inokori at 2007-02-26 12:03
憲法改正と一言で言ってもantsuanさんのいうような意味での改正もあるのでしょうが今安倍さんたちが目論んでいるのはどうみても「自衛隊が軍隊として認められ、海外にもどんどん出ていけるようにすること」に比重があるのは明瞭です。現行憲法で保障されている人権でさえ踏みにじられようとしている・踏みにじっている権力者がきれいごとを言っても信用できないのです。憲法があってもイラクに派兵している人たちが(小泉の弁明にもならない弁明!)歯止めがなくなったら何をするか!
被告人の権利が守られていない司法の現状、個人情報保護法、謀略罪、、全ての動きが2・26当時に似てきました。 物言えば唇寒し・・の時代です。 岡留や魚住・辺見といった人々が「反権力ジャーナリズムの終焉」を嘆くわけです。
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antsuan at 2007-02-26 18:26
佐平次さんのおっしゃるように、現憲法下でも物言えば唇寒しの時代になったことに注視すべきではないでしょうか。石井紘基国会議員暗殺は第二の5.15事件といえるでしょう。米国のコントロール下におかれている今の憲法の方が、第二の2.26事件の起きる確率は高いとみています。
歯止めを無くすことは自らが制御する責任を取ることを意味し、主権在民の基本ではないでしょうか。「手段」が過激であっても、主権在民の確立という「目的」を達成させることを優先する時に来ていると思います。
あんつぁんさま
確かに、日本人なら絶対に忘れてはいけない出来事ですよね。 ところが、ある種の人達は日本が関東大震災の打撃によって全体主義に傾かざるを得なかった事を知らないようですし、またある種の人々は日米開戦当時、言論の自由が圧殺されていた事を忘れているように思います。
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at 2007-03-03 10:27
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