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青梅街道に面した井草八幡(杉並区善福寺1丁目33)には頼朝が戦勝記念に自ら植えたとされる松の木があります。残念なことに初代は枯れてしまい、今見ることが出来るのは二代目です。
源氏の武将に縁のある大きな八幡宮の前は、決まって鎌倉街道と呼ばれる古道が通っているものなんですが、井草八幡の前にはそれが見つかりません。私としては、穴八幡がある早稲田に通じる早稲田通りこそがかつての鎌倉街道だと思うのです。証拠となるものは何もありませんけど。 井草八幡も穴八幡も共に原始時代の遺跡が発掘されています。つまり、ここは古事記の神話イザナギ、イザナミよりも遥かに古い時代から神聖な儀式を行なう地だったわけです。 古代人が狩りをする際に必要不可欠な鏃に使う黒曜石は産地が限られているのですが、全国の遺跡から見つかっています。つまり、黒曜石などの特産品を運ぶための道はその頃からあったんだと思うんです。それが、今の早稲田通りだったんじゃないでしょうか? 奈良時代に武蔵国府と常陸国府を結ぶ道に『アマヌマ』という駅があったとされ、それが現在の天沼だったんじゃないかといわれてるのですが、これも詳しい事は分からないんだそうです。 井草八幡のすぐ近くには善福寺池がありまして、頼朝が欧州に向かう途中折悪しく旱魃のため将兵の飲水に困り、自ら弓の本筈で地を堀り水を得、この井水が善福寺池の源泉となったという伝説があります。 もちろん善福寺池は頼朝が生まれる10万年位前から地球上に存在していた天然の湧水ですが、天下を掌握した武人を後世の人は尽きる事無く台地を潤し続け稲穂を育む泉に例えたのでしょう。 水の出が遅く弁財天を祈りやっと水を得た、ともあり、弁財天を祀る市杵嶋神社があります。 このことから甘水に霊験ありとして旱魃の折には区内はもとより中野、練馬の村々からも雨乞い祈願に参り、昭和24年まで雨乞いの行事はあったそうです。
by sweetmitsuki
| 2005-10-05 08:12
| 史蹟で歴史のお勉強
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