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昔話の「舌切り雀」を聞いて、雀はお婆さんの大事な糊を勝手に食べたんだから罰を受けるのは当然で、それなのにお婆さんが最後に酷い目に遭うのはおかしいと思ったことはないでしょうか。
この話には、欲張ってはいけないですとか、弱い者いじめをしてはいけないですとか、そういう教訓が含まれているといわれていますけれども、どうもそれとも違うらしいのです。 記紀には書かれていませんが、日本に古くから伝わる神話の中に、こんな話があります。 遥か昔、人間が稲作を始めたばかりの頃のことです。 ある晴れた秋の日、山の神様が人里を見降ろしておっしゃいました。 「秋になると人間が山に入ってきて、木の実とかキノコを採っていくんだが、最近そういうことをするものが少なくなったな。どうしたのだろうか。」 すると雀が「そういえば人間は夏の間、芦原で草の種を蒔いて大切に育てていましたが、何か関係があるのでしょうか。私が調べて参りましょう。」と答え、人間の国に飛んでいきました。 雀が人間の国に行くと、人間は稲の収穫の真っ最中でした。 雀がそこへ行って稲穂を拾い集め始めると、人間たちは雀を捕え、大切な米を勝手に食べた雀に罰を与えようとしました。 するとお城からきれいな女性が出て来て、「鳥たちがどんなに食べるといっても、どれほどの量だというのです。出し惜しみをするのではありません。鳥たちが食べることで、稲穂も神になれるのです」と言って、箕いっぱいに籾を入れて来て庭の隅にまき「小鳥たち、たくさん食べなさい」と言ってくれました。 その堂々とした振る舞いや、周りの人間のうやうやしい態度から、その女性は人間の国の王なのだと雀は思いました。そして、そのことを山の神様に伝えました。 「それは危ない目に遭わせてしまったな。これからは人間の国に行くときには気をつけなさい。」 まわりでは何とか甦らせようとする人間たちが里の神様に祈っていましたが、どうすることもできませんでした。 「あんなに優しい女王だったのに。ここで私は恩返しをしなければ」。そう思ってあたりを見回すと、大地の果ての芦原で悪神が女王の魂をくわえているのが見えました。 雀はそこへ飛んで行き、悪神の頭や肩や手にとまり、面白おかしく歌いながら踊りました。すると悪神は大口を開けて笑ったので、女王の魂が転がり落ちました。雀はそれをすばやくつかみ、人間の国へ飛び帰りました。 そんなことがあったのち、雀は再び山の神様に呼ばれました。 「急に人間たちがたくさんの供物を捧げるようになったので、宴の席を片付ける暇もないほどだ。なぜなのか知っているか。」 雀が一部始終を伝えると、山の神様はたいそう喜ばれました。 雀が人間のものを好きに食べていい理由については、他にもいくつかの寓話があるのですが、古代、人間の国の王の命を雀が助けたから、その子孫である人間はその子孫である雀のために今も食事を用意しなくてはならない、というこの話がいちばん説得力があるように思います。 それに、この話は記紀の「天岩戸伝説」によく似ています。もしかしたら「記紀」も「舌切り雀」も、この神話をもとに作られたのではないのでしょうか。 それに実際、雀が農作物を荒らすからといって、駆除してしまうと大変なことになるんだそうです。 1955年、中国の毛沢東が「雀は悪い奴だ」と言ったとたん、中国各地で雀の大量捕獲が始まりました。 雀抹殺専門の突撃部隊が2400作られ、1年で11億匹の雀を殺し、1967年迄に雀を浄化すると宣言したのですが、その結果どうなったのかというと、雀が食べていた昆虫が大繁殖して、中国の農業は回復不能なほどに壊滅してしまいました。この愚行により、中国全体で4000万人もの餓死者が出たといわれています。 雀を虐めた応報は、いじわる婆さんが担いだ重いつづらの中身より恐ろしかったのです。
by sweetmitsuki
| 2015-04-25 21:25
| おどろけー
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Comments(2)
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by
antsuan at 2015-04-27 10:57
イヤー、本当によいお話ですね。
こういう話が古来から伝承されて護られてきた日本はやはり文明国の名に恥ずかしくない国といえると思います。 毛沢東はその他にも沢山の愚策を図っています。そんな国が日本を侵略国呼ばわりしていることに、日本人は早く気がつかないと、大変なことになってしまうでしょう。
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sweetmitsuki at 2015-04-27 21:00
あんつぁん
この話はアイヌ神話で、あんまし一般的ではないうえ、私が意図的に天岩戸伝説や魏志倭人伝に似せようとして強引なアレンジが為されています。 それでも、雀が豊穣神の使いだという信仰がなければ、舌切り雀の物語は成り立たたないのではないでしょうか。 ですが毛沢東の愚挙を対岸の火事だと笑ってもいられません。 TPPや集団的自衛権についてどれだけの人がどれほどの内容を知ってるというのでしょう。 あれはまさに、アメリカから贈られた、中に何が入ってるのかわからない箱そのものではないのでしょうか。 強欲な安倍総理のことですから、重いほうのつづらを選んでしまいそうで恐ろしいです。
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