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mitsukiのお気楽大作戦


手作り雑貨と原チャリ放浪と雑学で綴る、実践お気楽ライフ
by sweetmitsuki
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四谷怪談

四谷怪談_e0078674_18433796.jpg暑いので怪談噺ゆかりの地でも訪れて涼もうと思い、四谷怪談で有名な於岩稲荷田宮神社に行ってきました。
興味深かったのは、お岩さんは実在した、という事。
もちろん実在のお岩さんは、怪談のようなおどろおどろしい事件とは無縁な、貞女の鏡のような女性だったといいますが、それにしてもどうしてお岩さんの両親は自分の娘にお岩なんて名前を付けたのでしょうか?
まともに推理すれば、岩石の持つ不変のパワーにあやかろうとしたとしか考えようがないのですが、そこまで思慮深い人がイワナガヒメの神話を知らない筈がありません。
イワナガヒメというのは、古事記に登場する女神で夫となった男性に不老不死の力を与える事が出来るのですが、その容貌は岩のようで、夫のニニギノミコトから疎まれ離縁させられてしまいました。
里に返されたイワナガヒメは、自分が美しく生まれなかった事を嘆き持っていた鏡を投げ捨ててしまいます。その鏡は竜房山(現在の宮崎県にあります。詳しくはコチラ)という山の大杉にひっかかりあたりを明るく照らしました。それでその一帯を白見(しろみ)、やがて銀鏡(しろみ)と呼ぶようになったそうです。
ちなみにニニギノミコトは天皇の始祖で、天皇が普通の人間同様死を迎えるのはそのせいだといわれています。
この話を知ってる人が、可愛い娘にお岩という名を付けるでしょうか?
一方、四谷怪談の作者、鶴屋南北は古事記のこの件に強い影響を受けていて、例えば伊右衛門がお岩を亡き者にした後、新しく妻にした相手の名がお梅(木花咲耶姫の暗示ですよね)というなど、四谷怪談には古事記へのオマージュと受け止められる描写が到る所に出てきます。
四谷怪談_e0078674_19162893.jpg神社境内に置いてあったパンフレットによれば、お岩さんは徳川家直参御家人の娘でしたが家の格式は高くとも棒給は低く台所はいつも火の車で、家計を支えるためお岩さんは商家に奉公に出たといいます。
江戸時代というのは武士の支配する時代でしたが、最初から最後まで下級武士の暮しは厳しいものでした。
お岩さんという女性が、本当は幸せな老後を送ったのか、それとも怪談のように悲惨な最期を迎えたのか、今となっては確かめようがありません。
でも、お岩さんのお墓は巣鴨にあるので、江戸時代に、お岩という名前の女性がいた事は確かなようです。
お岩さんの両親はきっとイワナガヒメの神話を知っていて、それでも敢えて娘にお岩と名付けたのでしょうね。
岩のように強く、一途な人に育って欲しいと願いを込めて。
岩という字の付いた名前の女性が他にもいないか検索したところ、瓜生岩子さんという人物が見つかりました。(詳しくはコチラ
戊辰戦争の戦乱の中、傷つく兵士や子供たちを敵味方の区別なく看護し、日本のナイチンゲールと呼ばれているそうです。
いつの時代も、己の運命を受け入れ果敢に生きた女性は岩よりも逞しく花よりも美しいのですね。(崇りに遭うと怖いのでヨイショしておきました。)

by sweetmitsuki | 2008-08-10 19:17 | おどろけー | Trackback | Comments(4)
Commented by antsuan at 2008-08-11 12:30
堀口大學の詩にあるのですが、「 花はいろ 人はこころ 」
チャイナで美人というと心の美しい人を云うそうですし。

しかし神話って考えてみると怪談の一種のようですね。
Commented by sweetmitsuki at 2008-08-11 21:38
あんつぁん
言語学者の金田一京助先生は、アイヌの人に「美しい女性って花のようだと思いませんか」と質問したところ、「全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたそうです。
美人を花に例えるのも木花咲耶姫の神話から来ている、ヤマト民族特有の感性みたいですね。
Commented by saheizi-inokori at 2008-08-13 07:25
ストーンパワーとかいうのに騙されていろんな玉を買ったけど効いてるのかな。小さなのばかり1000円ほど。
Commented by sweetmitsuki at 2008-08-13 20:58
佐平次さま
私も安物の宝石持っていて、パワーがあるという話ですが、今イチ効き目の程はわかりません。
番長皿屋敷のお菊さんはすごい美人だと評判でひと目でいいから見てみたいのですが皿を9枚まで数える声を聞くとあの世逝き、8枚でも熱を出すというので6枚まで聞いたら逃げ出そうなんて落語がありますね。
於岩稲荷田宮神社のお岩さんも、いつの間にか絵馬に書いてあるような美人になっていました。

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